3DGSの特許取得済みAPEX®ガラスは、他のガラス基板とは異なり、熱処理により基板の他の部分はガラスのまま、パターン部分だけをセラミックにすることができます。また、エッチング加工によって、ガラス部分の完全性を損なうことなく、セラミック部分に3D微細構造を形成することも可能です。この独自のプロセスにより、超小型・高性能電子機器に理想的な低コスト、量産対応、ウェハレベルの生産ソリューションを実現します。
従来のガラスとは一線を画する3DGSのAPEX®ガラス。APEX®には特殊感光剤が含まれており、シンプルな露光工程によりユニークな異方性3D構造を形成できます。この「光構造化ガラス」は、バッチ製造プロセスと標準的なIC処理ツールセットを組み合わせ、低コストで量産可能な生産ソリューションを実現します。
APEX®ガラスの微細加工技術は、ウェハレベルパッケージング(WLP)に最適です。2.5Dおよび3DパッケージングやRFパッケージ(インダクタ、アンテナなど)、オプトエレクトロニクス、Micro Cavityなど、多彩な用途に活用できます。
APEX®ガラスは、シリコンやラミネート基板、レーザー加工ガラスなどの従来のICパッケージング材料に比べ、次のようなメリットがあります。
APEX®ガラス生産プロセス
APEX®ガラスは、シンプルな3つのステップで加工されます。
1. 露光:フォトマスク(フォトレジストなし)を用いてウェハにマスクを施し、UV光で露光します
2. ベーク:露光したウェハを加熱処理し、露光部分をセラミックに転化させます
3. エッチング:ベークしたウェハを希釈酸でエッチングし、セラミック部分を除去します
APEX®ガラスウェハ
マスク&UV露光
熱処理によりセラミック化
エッチングでセラミックを除去
完成品
このシンプルな生産プロセスにより、APEX®ガラスをシステムインテグレータとして複数の加工ステップを柔軟に統合し、モノリシックに集積化された電子パッケージを作製することが可能になります。
この方法で作られた最終製品は、次の特長を持ちます。
3DGSは広範かつ高度なファウンドリ技術を備えています。詳細は「カスタム設計と製造」ページをご覧ください。
概要
APEX®ガラスは、感光性ガラスセラミックス材で、精密な微細加工に最適です。RF信号調整、ICパッケージング、生命科学、光集積など、幅広い分野で活躍します。APEX®ガラスは3D Glass Solutions, Inc.が独占生産・販売権を保有しています。
物理的特性
APEX®ガラスは、シリコン(3ppm/K)と銅(17ppm/K)の中間という理想的な熱膨張係数を持つアルミノケイ酸塩ガラスです。ガラス転移温度が高く、下流プロセスの微細加工ニーズに応じて加工後温度範囲を高めることができます。
説明 | 仕様 |
---|---|
熱膨張係数 | 10ppm/K |
ガラス転移温度(Tg) | 452C |
密度 | 2.35g/cm3 |
ヤング率 | 80GPa |
熱伝導率 | 1.5W/mK |
準拠規格 | 準拠規格 |
APEX®ガラスはマイクロ波およびRF用途に広く使用されています。APEX®ガラスの電気的特性と高度な製造・設計技術を組み合わせることで、感光性ガラスでのみ達成できる超高Q値、低損失、高データ転送率、低消費電力の電子構造を実現します。
説明 | 仕様 |
---|---|
電気抵抗 | 10˄12ohm-cm |
周波数(GHz) | 0~20 |
誘電正接 | 0.0102 |
誘電率 | 6.4 |
APEX®ガラスは、フォトニクスや光エレクトロニクス用途に理想的な材料です。APEX®ガラスの電気的集積と光学的特性を組み合わせることで、小型でありながら強力な光システムを構築できます。
仕様 | ガラス | セラミック | 備考 |
---|---|---|---|
1550nm | 93% | 82% | 厚さ1mmのサンプルでテスト。 |
RI ガラス
セラミック
沈殿
532nm 1.5283 1.5293 1.5260
633nm 1.5238 1.5249 1.5216
986nm データなし
1.5166 1.5137
アッベ数
63.8988